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スーク:夏の物語(夏のおとぎ話)Pohádka léta op.29(Hudební báseň pro velký orchestr大オーケストラのための音楽詩)

ボヘミア(チェコ)弦楽四重奏団の第2ヴァイオリニストとして、創立1891年から解散する1933年まで、主に国外で演奏活動していたスークにとり、夏休だけが自然豊かな故郷クシェチョヴィツェ村で、創作に専念できる機会だった。1907年、国外演奏旅行から帰った彼は、ゼイエルの劇「ラドゥスとマフレナ」の国民劇場新演出用に、1897/ 98年作の同名メロドラマop.13の改訂にかかり、その第3幕にハープ伴奏のイングリッシュ・ホルン・二重奏を新たに加え、『夏の物語』に引用した。全体の構想は1907年7月から1ヶ月半で練られ、直ちにオーケストレーションにかかったが、多忙なため脱稿したのは1909年元旦だった。ここには義父ドヴォジャークと愛妻オティリエを、あい次いで失った衝撃からようやく立ち直り、美しかった過去への思い出と、未来への希望がこめられている。

初演は1909年1月26日、コヴァジョヴィツ指揮チェコ・フィルによりルドルフィヌム会館で行われ、彼に献呈された。ウィーンでは翌1910年11且24日、ネドバル指揮トーンキュンストラー楽団により初演され、チェコ芸術アカデミー賞を授かった。

楽器編成:
Fl.3(Picc.),Ob.2, Cor angl 2, Cl. 2, BCl, Fg.2, CFg, Hr.6, Trp.3, Trb.3, Tuba, Timp. Tgl, タムタム、シンバル, 大太鼓、(オルガンad lib.)、ピアノ、チェレスタ、ハープ2、弦5部。
演奏時間:約50分:I=14分、II=6分、III=5分、IV=11分、V=15分
(ペシェク指揮、チェコ・フィル1984年録音LP盤)


第1楽章「Hlasy života a útěchy人生と慰めの声」:
アンダンテ・ソステヌート、4/4拍子。ホルンの持続イ音と、コントラバス和音進行による序奏(譜例1)に次いで、4度上昇3音に始まる主題(譜例2)がオーボエと弦で提示され展開、アレグロ・アパショナートとなって高揚、ファンファーレに至る。アンダンテに入り、イングリッシュ・ホルンにはじまる副主題(譜例3)は全曲の核をなすもので、のちの楽章にしばしば引用される。これらがテンポを変えて様々に展開され、最後はハープの下降アルペッジョを伴う、抒情的なヴァイオリン・ソロ挿句などを経て静かに終る。

夏の物語譜例1

序奏(譜例1)は前作ピアノ曲集『母さんのこと O matince』(全5曲)op.28(母を失くした3歳の息子に捧ぐ)第4曲「母さんの心臓」の冒頭と同じ音型。
主題(譜例3)は、ゼイエル劇への付随音楽『リンゴの樹の下でPod jabloní』op.20、第6景:ダニツァの歌「暗い影がまどろむ森の上に落ちる」に由来。


第2楽章「Poledne 真昼」稔りの夏の太陽賛歌:
モデラート、2/2拍子。弦sul ponticello 3点ロ音トレモロ・オスティナート+ホルン低和音進行のうちに、ピッコロとバスクラリネットがユニゾンで、主題(譜例4、譜例3の変形)を奏でる。ついでトランペット経過句(譜例5)から、トロンボーンなどの管楽コラール副主題(譜例6)へと移行してゆき、最後この副主題をオーボエが奏でる。
夏の物語譜例2

第3楽章「Slepí hudci 放浪の盲目楽士」=Intermezzo 間奏曲:
アダージョ、9/8拍子。2台ハープ・ヘ短調主和音アルペッジョ・オスティナートに乗って、イングリッシュ・ホルン・二重奏(譜例7)が、東洋的な鄙びた主題を延々と奏でてゆき、終り近くヴィオラ・ソロ+ヴァイオリン・ソロ・二重奏が加わる。
スークは幼い頃から、ヴァイオリン+ハープ編成の、盲人を含む放浪楽士を讃えていた。
夏の物語譜例3

第4楽章「V moci přeludů 幻の力の中で」現実と幻想・夢との葛藤:
幻想的スケルツォ。アダージョ、4/4拍子。弱音器つき弦のトリル(譜例8)、バスクラリネットが唸る序奏についで、ヴィヴァーティッシモ、3/8拍子、付点音符つき奔馬調主題(譜例9)が提示される。さらにトランペットがグロテスクな副主題(譜例10)を奏でてゆき、これらは打楽器が活躍するフガートとなって展開される。アンダンテに入り、第3主題(譜例11)は、クラリネットに始まり、弦にひき継がれ叙情的に推移し、木管が16分音符で上下に飛びまわり、打楽器も加わり高揚する。ヴィヴァーティッシモ主題が戻り、最後はハープのピチカート、チェレスタのアルペッジョが微かに鳴り、第1楽章副主題(譜例3)が回想される。
夏の物語譜例4

第5楽章「Noc 夜」夜の神秘的静けさ:
アダージョ、3/4拍子。低音ハープによる第1楽章の4度上昇音型導入後、嬰ヘ長調和音進行主題(譜例12、譜例3の変形)が、弦で提示され、低弦ユニゾン音型(譜例13)からは、ティンパ+オルガンが低いニ音を鳴らし続ける。やがて弦のコラール副主題(譜例14)となり、旋律は半音階的に流れ、叙情と激情が交錯、時折ヴァイオリン・ソロを交え展開してゆく。最後に高音弦がトレモロを奏で続けるうちに、第2楽章副主題(譜例6)が木管で回想され、ピアノ・オクターヴ低単音も加わり、チェレスタとハープ・アルペッジョ上向3和音が反復され、D6和音で静かに消えてゆく。
夏の物語譜例5

夏の物語譜例6

主題(譜例12)は、師ドヴォジャーク1877年作の「交響変奏曲」op.78, B.70の主題を連想させる。

ボヘミア(チェコ)弦楽四重奏団の第2ヴァイオリニストとして、創立1891年から解散する1933年まで、主に国外で演奏活動していたスークにとり、夏休だけが自然豊かな故郷クシェチョヴィツェ村で、創作に専念できる機会だった。1907年、国外演奏旅行から帰った彼は、ゼイエルの劇「ラドゥスとマフレナ」の国民劇場新演出用に、1897/ 98年作の同名メロドラマop.13の改訂にかかり、その第3幕にハープ伴奏のイングリッシュ・ホルン・二重奏を新たに加え、『夏の物語』に引用した。全体の構想は1907年7月から1ヶ月半で練られ、直ちにオーケストレーションにかかったが、多忙なため脱稿したのは1909年元旦だった。ここには義父ドヴォジャークと愛妻オティリエを、あい次いで失った衝撃からようやく立ち直り、美しかった過去への思い出と、未来への希望がこめられている。

初演は1909年1月26日、コヴァジョヴィツ指揮チェコ・フィルによりルドルフィヌム会館で行われ、彼に献呈された。ウィーンでは翌1910年11且24日、ネドバル指揮トーンキュンストラー楽団により初演され、チェコ芸術アカデミー賞を授かった。

楽器編成:
Fl.3(Picc.),Ob.2, Cor angl 2, Cl. 2, BCl, Fg.2, CFg, Hr.6, Trp.3, Trb.3, Tuba, Timp. Tgl, タムタム、シンバル, 大太鼓、(オルガンad lib.)、ピアノ、チェレスタ、ハープ2、弦5部。
演奏時間:約50分:I=14分、II=6分、III=5分、IV=11分、V=15分
(ペシェク指揮、チェコ・フィル1984年録音LP盤)

第1楽章「Hlasy života a útěchy人生と慰めの声」:
アンダンテ・ソステヌート、4/4拍子。ホルンの持続イ音と、コントラバス和音進行による序奏(譜例1)に次いで、4度上昇3音に始まる主題(譜例2)がオーボエと弦で提示され展開、アレグロ・アパショナートとなって高揚、ファンファーレに至る。アンダンテに入り、イングリッシュ・ホルンにはじまる副主題(譜例3)は全曲の核をなすもので、のちの楽章にしばしば引用される。これらがテンポを変えて様々に展開され、最後はハープの下降アルペッジョを伴う、抒情的なヴァイオリン・ソロ挿句などを経て静かに終る。

序奏(譜例1)は前作ピアノ曲集『母さんのこと O matince』(全5曲)op.28(母を失くした3歳の息子に捧ぐ)第4曲「母さんの心臓」の冒頭と同じ音型。
主題(譜例3)は、ゼイエル劇への付随音楽『リンゴの樹の下でPod jabloní』op.20、第6景:ダニツァの歌「暗い影がまどろむ森の上に落ちる」に由来。


第2楽章「Poledne 真昼」稔りの夏の太陽賛歌:モデラート、2/2拍子。弦sul ponticello 3点ロ音トレモロ・オスティナート+ホルン低和音進行のうちに、ピッコロとバスクラリネットがユニゾンで、主題(譜例4、譜例3の変形)を奏でる。ついでトランペット経過句(譜例5)から、トロンボーンなどの管楽コラール副主題(譜例6)へと移行してゆき、最後この副主題をオーボエが奏でる。

第3楽章「Slepí hudci 放浪の盲目楽士」=Intermezzo 間奏曲:アダージョ、9/8拍子。2台ハープ・ヘ短調主和音アルペッジョ・オスティナートに乗って、イングリッシュ・ホルン・二重奏(譜例7)が、東洋的な鄙びた主題を延々と奏でてゆき、終り近くヴィオラ・ソロ+ヴァイオリン・ソロ・二重奏が加わる。
スークは幼い頃から、ヴァイオリン+ハープ編成の、盲人を含む放浪楽士を讃えていた。

第4楽章「V moci přeludů 幻の力の中で」現実と幻想・夢との葛藤:幻想的スケルツォ。アダージョ、4/4拍子。弱音器つき弦のトリル(譜例8)、バスクラリネットが唸る序奏についで、ヴィヴァーティッシモ、3/8拍子、付点音符つき奔馬調主題(譜例9)が提示される。さらにトランペットがグロテスクな副主題(譜例10)を奏でてゆき、これらは打楽器が活躍するフガートとなって展開される。アンダンテに入り、第3主題(譜例11)は、クラリネットに始まり、弦にひき継がれ叙情的に推移し、木管が16分音符で上下に飛びまわり、打楽器も加わり高揚する。ヴィヴァーティッシモ主題が戻り、最後はハープのピチカート、チェレスタのアルペッジョが微かに鳴り、第1楽章副主題(譜例3)が回想される。

第5楽章「Noc 夜」夜の神秘的静けさ:アダージョ、3/4拍子。低音ハープによる第1楽章の4度上昇音型導入後、嬰ヘ長調和音進行主題(譜例12、譜例3の変形)が、弦で提示され、低弦ユニゾン音型(譜例13)からは、ティンパ+オルガンが低いニ音を鳴らし続ける。やがて弦のコラール副主題(譜例14)となり、旋律は半音階的に流れ、叙情と激情が交錯、時折ヴァイオリン・ソロを交え展開してゆく。最後に高音弦がトレモロを奏で続けるうちに、第2楽章副主題(譜例6)が木管で回想され、ピアノ・オクターヴ低単音も加わり、チェレスタとハープ・アルペッジョ上向3和音が反復され、D6和音で静かに消えてゆく。


主題(譜例12)は、師ドヴォジャーク1877年作の「交響変奏曲」op.78, B.70の主題を連想させる。

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[ 2014/06/22 13:44 ] 音楽解説(チェコ音楽) | TB(-) | CM(-)



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