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マルチヌーの「カンタータ花束 KYTICE 」 H.260 (1/2)

花束

モラヴィア、ボヘミア民俗詩による“独唱、混声と児童合唱、小オーケストラのための”このカンタータは、1937年6月21日までに7曲までがパリで書かれ、夏休みは珍しく帰郷せず、8曲目は独立したものとして9月26日に完成されたこれはプラハ放送の委嘱作品で、画家ズルザヴィー(1890~19777)から贈られた「よきサマリアびと」(ルカ伝 10章35~37)⇒への返礼として、彼に献呈された。1938年4月5日、イェレミアーシ指揮する放送交響楽団、独奏者J・ヴィルドヴァー、M・ツィテラ-コヴァー、Bブラフト、J・ヘロルト、チェコ合唱団、キューン児童合唱団によりラジオ放送され、公開演奏は1955年3月13日、アンチェアル指揮チェコ・フィルが行った。

全8曲は、間奏をはさみ2曲づつ対をなす小カンタータの連鎖で、ソプラノ、アルト、テノール、バス独唱、合唱、児童合唱。
楽器編成は2320-2210、イングリッシュ・ホルン、ハルモニウム、2台ピアノ、弦10も含め、25~29名という小規模なもので、ストラヴィーンスキイの『結婚』を意識している。

第1部:
1.前奏曲:
モデラート、ニ短調、3/2~2/2拍子。中間部に2台ピアノついで弦のみの上向パッセージをはさむ三部形式。

2.毒を盛る姉:
アレグロ、変ロ短調~ニ長調、2/4拍子。スシル収集モラヴィア民謡集(以下S.)354番による。槍騎兵に“いっしょに来ないか”と誘われた娘ウリアナ(ソプラノ・ソロ)が、芝刈から帰ってきた弟を毒殺するが、弟の葬式の日に逮捕される。
オーケストラ、合唱、ソロまたは複数ソロが交代で現れ、ホルン持続音の上でオーボエ・ソロ(モデラート)が入る。独唱、合唱のメノ・モッソ、ピウ・ヴィヴォを経て、テンポ1で冒頭部分がくり返される(姉弟関係は、若妻・夫とも解釈できる)。

3.牧歌:
アンダンテ・ポコ・モデラート、ハ長調、3/4拍子。トリオ(ポコ・アレグレット、ヘ長調、6/8拍子)をはさむ、ダ・カーポ三部形式のきわめて叙情的な曲で、シャブリエの「牧歌」やフォーレの「ドリー」の雰囲気を感じさせる。

4.牛飼(追)い娘の呼びかけ声:
モデラート~アレグレット・モデラート、5/8~3/4~2/4拍子。牛飼い娘(ソプラノとアルト独唱)が、谷をはさんで、ア・カペラで「エイ、ホヤ!」とヨーデル調で呼びかけ合い、合唱がこだまを返す。時折入る伴奏ではヴィオラが目立つ。

5.間奏曲Intráda:
モルト・モデラート、変ホ長調、3/4拍子。3拍目にアクセントのある管楽器主体の短い行進曲。

6.家族に勝る恋人:
モデラート~ポコ・アレグロ、ト短調~ハ長調、3/4拍子。合唱がナレーション役。3年以上もトルコの牢獄に捕われている若者(テノール)が、父(バス)、母(アルト)、兄や姉(合唱)に“身代金を払って助けてくれ”と願うが、彼らにはその金がない。若者が恋人に頼む(奔馬調伴奏)と、彼女(ソプラノ)は獄舎の窓の外から絹の紐を垂らし彼を救う。S.829番の歌詞により、イングリシュ・ホルンが嘆きの調べを奏でる。最後は二人を祝福するかのように、第5曲の行進曲が高らかに鳴り響く。

第2部:
7.コレダ(クリスマス・キャロル):
モデラート~ポコ・ヴィーヴァーチェ、ト長調の前奏についで、ポコ・アレグロ、ト短調~イ長調、2/4拍子の児童合唱がはじまる。作り物の蛇(悪魔)を手に子供たちが家々を回りお布施をもらう。歌詞はエルベン民謡集621番「神様が天国に向かう」と、S.80~82番「アダムとイヴ」をつなげたもの。ボヘミアでは結婚式に、スロヴァキアではクリスマスから新年にかけ歌われる。児童合唱に終始し、木管がクリスマスの雰囲気を醸し出している。

8.男と死:
歌詞はS.22~24番「死」による。
1)アダージョ、ロ短調~イ短調、4/4拍子:ティンパニが轟き、ピアノの16分音符とともにリズムを刻む。イングリシュ・ホルンの悲歌から、2台ピアノ・ユニゾンとなる。
2)アンダンテ・ポコ・モデラート:変イ長調、4/4~3/4拍子。ほぼア・カペラのアルト独唱「一人の男がいた・・」を合唱が後づける。
3)ポコ・モデラート:変ロ長調~へ長調、3/2~2/2拍子。男(バス)が満足げに自分の畑を見まわし、合唱が後づける。
4)レント:ピアノの刻む不協和音進行を背景に、アルト、バス独唱(のちにソプラノ、テノール独唱も加わる)と合唱がユニゾンで、「彼は死神に出会った・・」と歌う。
5)バス独唱のポコ・モデラート、変ロ短調、5/4の短いパッセージから、モデラート、嬰ハ短調、3/4拍子の合奏部分を経て、ヘ長調(ニ短調)、4/4~3/4拍子で、死神(ソプラノ、アルト独唱)と、男(バス)の対話が続く。
6)ポコ・アレグロ:ピアノを主体とし器楽パッセ-ジについで、ポコ・ヴィヴォ:男声のみの独唱と合唱がユニゾンで、女声のみの独唱と合唱が、美田や若い妻や息子を残してゆかねばならぬ、と訴える男を彼岸へ誘う。
7)アンダンテ:死神の放った矢が男に当たる。ヴィオラ独奏につい独唱と合唱がで、人は死を免れないと歌い、オーケストラは半音づつ下降する和音進行ののち、ハ長調主和音に終止する。


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[ 2014/06/22 12:53 ] 音楽解説(チェコ音楽) | TB(-) | CM(-)



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