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V・ノヴァークの交響詩「タトラ山にて」 作品26

ヴィーチェスラフ・ノヴァーク (1870~1949) は、プラハ音楽院でドヴォジャークに学び、1909年から41年まで、母校のマスタークラスで教鞭をとり多くの後進を育てた。1896年7月音楽院卒業と同時に、モラヴィア地方を旅して回り、1年後にはフクワルディでヤナーチェクに会っている。さらに彼はスロヴァキアへと足をのばし、1900年、01年、05年、06年に、ポーランドとの国境に聳える高タトラ山脈を訪れ、数々のスロヴァキア民謡の編曲を行っている。

ノヴァークはタトラ山での印象を、1902年の1月から5月にかけ『タトラ山にて』という交響詩で表現し、これは同年11月25日ネドバル指揮チェコ・フィルにより、ルドルフィヌム会館で初演された。1907年に87小節拡大した決定版が、同年12月7日ライシヒ指揮チェコ・フィルにより初演された。日本初演は1931年J・ラースカの指揮で行われている。作曲者はこの作品について以下のように説明している:

 「恐ろしい嵐を前にした陰鬱な雰囲気。灰色の雲が山々の険しい岩壁をはい回る。太陽はまだ群雲を貫き、時折、気高く悲しげなこの山岳地帯を照らし出している。だがすでに新たな雲が次々と稲光を伴って近づく。その怒りはタトラ山の不屈の花崗岩壁にあたって砕け散る・・・激しい闘いのあと、また静寂が訪れ、落日に山々の峰を黄金色に染め、どこか遠くから夕べの鐘の音が聞こえてくる。真珠をちりばめたベールをまとった夜のとばりが、タトラ山の上に降りる・・・」

タトラ山
※写真は高タトラ山脈遠景



楽曲分析(全曲約17分)

タトラ山譜例  
R・シュトラウス風の2つの主題をもとに、ソナタ形式で書かれている。

(largo e maestoso、約3分):
弱音器つき弦がピアニッシモでト音をユニゾンで奏でるうちに、やや陰鬱なト短調の主題が、Fl. Cor-ingl. で提示され、弦とHp.のピチカートの上で、Ob.Cor-ingl.Cl.がユニゾンで叙情的な変ロ長調の副主題が続く。これが密度を増してくり返される。

(un poco mosso、約3分):
Hp.の上向アルペッジオを伴うFl.のトレモロが日の出を描き出し、Vl. が2つの主題をのびやかに展開してゆく。

(piu mosso、約5分):
Cl-basso と低弦にはじまる主題断片提示のあと、弦の上下動が次第に激しさを増し、管楽器が咆哮、打楽器が鳴り、Trbが主題を高らかに吹奏し、全楽器参加する嵐の描写となる。しかし遠雷の音とともに、やがてこれも静まり、

( rallentendo、約1分):
1音づつ下降するVla.トリルと、Gr.C. を伴うTimp. トレモロが交互に現れ、Cb.トレモロのオスティナートにひき継がれる。

(Tranquillo、約1分):
Hp.と弦の下降音型反復のうちに、Vl.ソロが高音で副主題を奏でる。

(Ancora poco piu animato、約1分):
副主題は木管と弦で反復され、Trp.の3連音を伴って高揚してゆく。

( Andante sostenuto、約1分):
Vla.ソロが、カリオン、Hp.(ハーモニックス)を伴って主題を静かに奏でる。

(Ancora meno mosso, quasi Tempo I, 2分30秒):
Vl.Tutti 、Hp.のアルペッジョを伴うVc.ソロによる副主題のあと、Cl-bassoと低弦がユニゾンで主題を出し、最後は Hp.のアルペッジョ上下動のうちに、弦のみによるト短調主和音で静かに終止する。
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[ 2007/12/15 12:12 ] 音楽解説(チェコ音楽) | TB(-) | CM(-)



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