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ドヴォジャーク:自然の中でV přírodě 作品91, B.168

ヴィソカー
1891年にプラハ音楽院教授に迎えられたドヴォジャークは、6月半ば7回目のイギリス訪問時にケンブリッジ大学から名誉博士号を贈られた。こうした時期、1892年1月半ばまでに、リストやスメタナの交響詩に触発された3つの演奏会用序曲「自然と人生と愛」が生まれた。第2曲「謝肉祭」、第3曲「オテッロ」を含む3つとも独立した作品ではあるが、第1曲の大自然主題(譜例1)で統一されている。

スケッチは1891年3月末から4月18日までプラハで、スコアは7月8日ヴィソカー村の別荘で完成し、ケンブリッジ大学に献呈された。3曲まとめての初演は、ドヴォジャークのアメリカへの告別演奏会として1892年4月28日、エキストラを交え増員した国民劇場オーケストラを、作曲者が指揮して行われた。

「日中のざわめきが収まり、あたりに夕闇が迫る頃、人は夏の夜の静けさの中に出てゆき、憩いの中での自然の声を耳にする。時折、鳥が鳴き交わし、自然の内なる声は次第に力を増し、至福と神秘のヂンフォニーを歌いあげる・・」


楽器編成はFl 2, Ob2, Cl2, Bcl, Fg2, Cor.4, Trp.2, Tb.3, Tuba, Timp. Piatti, Trg, 弦5部。

20小節の短い序奏では、低音オスティナートの上で、ファゴットとヴィオラが主題の萌芽を奏し、小鳥(木管=冒頭譜例)が鳴き交わす。主部はソナタ形式をとり、夜のしじま(弦のトレモロ)を通して大自然の主題(譜例1)がクラリネットに出る。これはフォルティッシモとなってヴァイオリンに受けつがれる。

舞踏調の第2主題群は、ヴァイオリンの奏でる躍動的なヘ長調(譜例2)、半音階的上昇につぐ高音から下降するイ短調(譜例3)、クラリネットが上下動するヘ長調(譜例4)、短い大自然主題をはさみ、スケルツォ風のイ長調(譜例5)、やや悲しげなイ短調(譜例6)、八分音符3つと四分音符1つで下降するイ長調(譜例7)の6つの小主題からなる。

展開部に入り、鳥が鳴き交わしたあと、大自然主題がホルンに出て、第2主題群では譜例7と5の主題が展開される。型通り提示部が再現され、コーダではペンタトニックで下降する主題(譜例8)が奏でられ、除草部分がくり返され幕となる。

曲の題名は、英訳ではIn Nature‘ s Realm(自然の王国で)となっているが、正しくは「自然の中で」である。なおドヴォジャークにはもう1曲、ハーレクの詩につけた「自然の中で」作品63, B. 126 (1882年作)という5つの合唱曲がある。

(1993年、日本コロムビア、補筆転載)
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[ 2008/01/30 10:24 ] 音楽解説(チェコ音楽) | TB(-) | CM(-)



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