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ドヴォジャーク:交響曲, 第5番, ヘ長調, op.76, B.54

1875年の春から夏にかけドヴォジャークは、ピアノ・トリオ変ロ長調op.21、弦楽セレナーデop.22、ピアノ四重奏曲ニ長調op.23の諸作に次ぎ、6月15日から7月23日の間に、この交響曲op.24(後にop.76)をプラハで仕上げた。初演は1879年3月25日ジョフィーン島ホールで、A・チェフ指揮するプラハ仮劇場オーケストラにより行われ、ハンス・フォン・ビューローに献呈された。

作品番号76から分かるように、第6交響曲ニ長調(第1番, 1880年作)op.60. B.112、第7交響曲ニ短調(第2番, 1885年作)op.70. B.141についで、ジムロック社から出版されたのが1888年だったため、当初は交響曲第3番と呼ばれていた。クレッチマーはこれを「田園交響曲」としている。

楽器編成:フルート、オーボエ、クラリネット各2、バス・クラリネット、ファゴット2、ホルン4、トランペット2、トロンボーン3、ティンパニ、トライアングル、弦。

第1楽章:ソナタ形式。アレグロ・マ・ノン・トロポ、ヘ長調、3/4拍子。牧歌的な2本のクラリネットにはじまる上下動主題は、シューベルトの「アダージョとロンド(弦3部とピアノ)ヘ長調D.487を連想させる。
副主題群は、アクセントをきかせたffのグランディオーゾa、イ短調のカノン音型b-1と、クラリネット三連音の上でのヴァイオリンの挿句b-2、ホルン持続音に続く、半音進行を伴う優美なニ長調音型c、三連音上下動のシンコペーション音型d、フルート2本の奏でる16分音符音型e、アクセントをつけたffロ短調下降音型fの6つから成り、これらが型通り展開、再現される。

第2楽章:三部形式。アンダンテ・コン・モト、イ短調、3/8拍子の主題*は、まずチェロで提示される。中間部ウン・ポケッティーノ・ピウ・モッソの下降主題は、ピチカート弦の上で、木管和音進行4小節の極めて優美なもので、弦と管の対話へと移行いてゆく。冒頭部分の再現ではオーケストレーションが分厚くなっており、イ短調主和音に終止する。

*この主題は「フィンガルの洞窟」や、チャイコフスキーの「ピアノ協奏曲」の冒頭を思わす。後者の冒頭主題は、キエフ近郊カメーンキの民謡“盲目の楽士”によると言われており、そのためかこの交響曲は、モスクワの聴衆にとくに人気が高かったという。

第3楽章:アンダンテ・コン・モト、クアジ・リステッソ・テンポの序奏でチェロに出る音型は、前楽章の主題のエコーである。弦楽合奏の静かなパッセージを経て、スケルツォの主部に入るが、アレグロ・スケルツァンド、変ロ長調、3/8拍子の軽快な主題は、ハイドンの交響曲第98番、第4楽章副主題にやや似ており、これが自由に展開する。
トリオのテンポ・プリモでは、管の付点つき変ニ長調下降主題に、弦が合いの手を入れ、後半ではこの管の旋律も受け継ぐ。

第4楽章:ソナタ形式。アレグロ・モルト、4/4拍子。序奏でチェロで提示される、1オクターヴ上昇し音階的に下降するイ短調主題は、やがてヘ長調の第1主題となり、転調しながら展開してゆく。木管和音進行とヴァイオリンの高いト音の連続とが、静かに鐘の音を模すパッセージを経て、曲はさらにティンパニを交え力強く続く。
これが静まると、表情豊かなクラリネット保持半音下降と、優美なヴァイオリンが掛け合う変ニ長調第2主題が提示され、さらに木管の変ト長調の和音進行は、ホルン、トランペット、ティンパニの響きを伴って高揚する。
木管と弦のみの静かなパッセージから展開部に入り、変イ長調の付点音符つき2本のクラリネットと、高音ヴァイオリン持続音の対話に、先の和音進行が静かに続くが、ホルンの咆哮でグランディオーゾとなり、曲は激しくなる。
クワジ・アンダンテのオーボエ独奏と、バス・クラリネットの主題吹奏を経て、テンポIとなる。
再現部は色彩豊かなもので、次々と主題が現れ、とくに後半では弦の動きが目立ち、最後はトランペットが高鳴りティンパニ連打のうちに、ヘ長調主和音の勇壮な結末となる。
[ 2010/03/17 07:23 ] 音楽解説(チェコ音楽) | TB(-) | CM(-)



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